終わらせるための儀式
それは、手紙を書くことである。この方法は、ライフイベントの中での引き際(失恋や引退など)に効果的な手法である。紙とペンを用意して心が落ち着く場所に座ろう。さっそく何かを書き付けていくのだが、初めの言葉が大事である。一つ一つの言葉をしっかりと吟味し、もっとも心象を表すことができる言葉を探し出す。この段階で、しっかりと時間を掛けられたい。なぜならば、この行為は相手の為ではなく自分の自分自身の為なのだから。時間をたっぷりとかけて、納得のいく手紙を書こう。そして大切なことは、書き終えた文章に価値はないということを認識することだ。なぜなら、この手紙は決して相手に渡すことのない手紙なのだから。
箇条書きにすると、こうなる。
人を想う/文字に起こしていく/手紙にする/いつでも渡せるように封をしておく/そして決して届けない
これが「終わらせるための儀式」である。