これまでの人生を振り返ったときに必ず思い出す人がいる。ぼくが悩み、迷っていたときに行先を照らしてくれた人たちだ。その人たちは年上だったり、年下だったり、女性だったり、男性だったり、日本人だったり、外国人だったりする。今回お話ししたいのは、10年以上前になるけれど、社内ベンチャーを立ち上げた、ひとまわり年上の男性。長年、ぼくのiCloudのメモに仕舞われていたパワフルでポジティブな言葉。理念の実現のため、腹を括って進んできた、とあるSenseiの言葉です。
Senseiはこう言った
「今ある現実を視るようにしなさい」
一旦受け入れて、どう行動するのか考えよう。空想は空想でしかないのだから。
とあるSensei
この言葉は、現実から逃げだそうとしている自分に向けられた言葉だった。もしこうだったら、あの時こうしていれば‥という「たら・れば」思考になった時に喝を入れられた。昔を振り返って、落ち込まないで。
「コネ•伝手は最大限使いなさい」
人と仲良くなること → だれかに紹介してもらえる人
コネやツテは決してネガティヴな言葉じゃない
とあるSensei
この先生が、社内ベンチャーを立ち上げてまだ数年だったころ。進めている事業と一見、関係のなさそうに思われる人との繋がりが事業を軌道に乗せていくために不可欠だったと教えてもらった。規模が大きなプロジェクトになっても、要はやはり人と人。人間性がすべてだ。コネクションがあると以下のような良いことがある。
たとえば、飛び込み営業をしないこと。そうしなくても、紹介によってあたらしい顧客を増やすことができる。
ただし、紹介者の顔に潰すような下手なことはぜったいに出来ない。だから必ず結果を出すんだよ、とも。
- 紹介をお願いする中で、自分がその人と知り合うべききっかけを探す
- 目的の人に会うチャンスを得る
- 相手の困っていることを傾聴しながらも自己PRをおこなう
- 行動の評価(結果)
- 行動の結果が上手くいっても、いかなくても、紹介者には必ずお礼をすること
礼に始まり礼に終わる。仕事ができるとかそういうことよりも、人間性を磨きそれを保つことは、なによりも重要だなと思う話だった。
「自分一人の力で出来ることなど、高が知れている。だから信頼できる人に周りに居てもらいなさい」
優れた経営とは、この現在も将来も見通すことの出来る力をもって、事業をおこなうこと
とあるSensei
優れた経営とは何か?という疑問をぶつけたときに返ってきた言葉だ。ピンと来なかったぼくにSenseiはこう説明してくれた。『今現在は、こうだ。では○年後は?』という視点をもつことだよ、と。けれど、やはり見通すことは難しい。
では、どうすれば自分の周りに人を集められるのだろうか。
- 実務の協力者、一緒に楽しんで事業を推進してくれる人をみつける
- 先が見える人にも、アプローチをしておく
- 同業他社の現在の成功者に追いつけ追い越せの意識をもちつつ、協力関係を築く努力をする
- 様々な考えの人たちとあって話をする(考えが似ている人、相容れない考えを持つ人、古い考え方を持つ人、先進的な考えをもつ人、今現在の考えの人、etc..)
ここで重要なのは、年齢層は広く取ることだ。近い年代ばかりで固まっていては駄目。若い人~同世代~年上、かならず混ぜて意見を交わしていく。
「5人の師匠(5人のブレイン)を持ちなさい」
自分と比べて経験の多いひと、少ないひと、年齢の上のひと、下のひと、それら関係なく師としたい人の五人。
ヘンリー・フォードも、スティーヴ・ジョブズも、柳井正も、手にした成功は彼らがブレインに恵まれた結果だから。
とあるSensei
話はまだ続く。抽象的な観念を具体的な行動に置き換えてアドバイスは続く。事業を進めていく上で計上できる収入は不可欠だ。そこで、Senseiはこう言った。
理念を体現するためには、時間と資金が要る
『二種類の商売がある』
(1)先を見越した商売
これは、投資をメインの軸に置いた商売の仕方だ。投資先は(ひと/金/もの)であり、そこには必ず夢があるもの。
(2)今を売り抜く商売
こちらは即、収入として計上できる事業内容。しかし、長くは続かないものだ。
では、どうすればいいのか。一つの例としてこう考えることができる。
期間を決めて(2)を行い資金を得て、(1)の投資に充て育てていく。
『モチベーションをどう保つか』
- 人から後ろ指さされようとも、どう思われようとも、やらなくてはいけない時は必ずあって、その時は迷わずにやる
- 今はこれが売れている。ならば取り入れていこう
- 真似・パクリといわれるかもしれないことに不安?→自分がブレなければ大丈夫。他人には言わせておけばいい
- 人には負けない、という負けん気を持って物事に臨もう→でも、人と仲が悪くなってはいけない
『チャンスの得方』
- 先入観は捨て、とにかく当たってみる →なにが出るかは分からない
- 良縁というものは、意識的に探すもの →待っていても降ってこない
- 人を大切にする →事業関係なく基本
『自覚する』
(?)自分に出来ないこと/不向きなことは何だろう
(…)何か分かった、それでも必要だ
(!)その専門の協力者を捜す(一番手っ取り早い)
『心構え』
◎誘われたら 断るな
◎助けを求められたら助けろ(結果、騙されたとしても助けよう)
◎良い人生かどうかは、葬式のときに決まる(利害関係なく来てくれる人は一体、何人だろう?)
×先入観をもつ
×固定概念
×かっこ悪いからやらない
『夢/目標』
- 夢を持つことは目標づくり
- 目標は、必ず「単純明快」にしておく(自分の想いに飾りは要らない/原点に帰ることができる)
『言葉の力(声に出そう/人に話そう)』
- 毎朝見る/口に出す (書いて貼ろう/声にしよう)
- 言葉には、言霊がある
- 口に出さないことは、現実にならない
- 暗病反(あんびょうたん)言葉は使わない。それは、自分に返ってくる
- 明元素(めいげんそ)言葉を使おう。それは自分に返ってくる
- 自分の標語を持つことも良いこと
- 仕事部屋には『なぜ?何故?ナゼ? 思考し行動』
- 家を出るときには『今日もいち日頑張ろう』
最後にSenseiはこう言った
今日の決意を忘れずに。いつでも思い出せるようにしておきなさい。くじけているときは、きっと人に何か言われているはずだから
とあるSensei
‥10年ぶりにSenseiに会いたくなってきたな。
Text: 小佐直寛(Naohiro Kosa)