良い大人のファルセット。骨太であるにも関わらず品格のある仕立ての良い室内音楽。それでいて、往年の冒険小説のような雰囲気をも持ち合わせている。聴けば聴くほどに世界観に惹かれていくアルバムです。
楽曲はミニマムな楽器構成で成り立っており、アコースティック・ギターと、ヴォーカル。使われている言語は、英語とスウェーデン語。きめの整ったギターのアルペジオの粒が押し寄せる。朧げでどこか夢のようなボーカルが芯を捉え、最小限のドラムが世界観を強固にしている。
KNING DISKから2012年にリリースされた本作は、Finn Loxboのデビューアルバムである。フォークミュージックにインスパイアされたとしているものの、曲の印象は極めてフレッシュ。新しい音楽である。
また、目を惹くジャケット・アートワークの情報は以下の通り。
Artwork by Jennifer Coates.
Aurora, 60×72 “, acrylic on canvas, 2008.
このレコードは、たしか大阪・南堀江のFLAKE RECORDSで購入した。
Text : 小佐直寛(Naohiro Kosa)